電王戦リベンチマッチ観戦6 菅井五段 渾身の一手炸裂!そして朝食休憩に

いやあ、二時間ほど寝てしまいました。そして起きたら菅井五段マイナス500点くらいになっていて、もう終わったなと思ったのですが、、まさかの朝6時台に凄い手が出ました!!

一気に形勢が近づいて形勢不明かもしくは先手の菅井五段優勢の局面に。しかしついに6時50分過ぎ、持ち時間が切れて一分将棋に入りました。苦悶する菅井五段の懸命な指し手が続き、なんとか朝食休憩に滑り込みました。

というところで、前回の局面から追ってみたいと思います。

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ここで早朝休憩に入り、以下▲同銀成▽同金引に▲7二飛▽3一銀▲6二角成と進行。

 

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この▲6二角成は、7二の飛車の邪魔になってしまいますが▽6一金という両取りの一手があったのでしょうがないところ。

以下▽2九と▲5三成銀▽3三金寄▲4二銀不成▽1九と▲7八飛▽7六歩▲同銀▽6六馬に▲7七歩と受けて下図。

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丁度この▲7七歩を打つ前くらいに目覚め、マイナス500点くらいでがっかりしたのですが、以下▽4二銀▲同成銀▽同金と進みます。

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そしてここからついに、菅井五段の渾身の手順が炸裂します! まずは▲5一馬▽3二金寄に▲6八飛。

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眠っていた1八の飛車がここまで使えては、一気に盛り返した感じですが、ここでは▲5一馬▽3二金寄を入れずに単に▲6八飛(下図)もあったと思います。

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どう違うのかというと、単に▲6八飛だと後手は▽4四馬とは引けないんですよね。しかし▽4四馬と引かせてからの菅井五段の指し手が凄かったです。

本譜手順に戻りますが、▲5一馬▽3二金寄▲6八飛に▽4四馬で下図。

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ここで菅井五段の渾身の一手が、▲4五銀!!

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これは痺れましたね。習甦ではなくぼくが、ですけど。凄い手がこんな朝6時に観られるとは、、

まずはこの手に▽同馬とすると▲3三馬▽同桂▲3二飛成で先手優勢。よって取れないので▽4三馬ですが、さらにそこで▲3三馬!

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そして▽同馬に、さらに▲3四銀!!

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攻め駒が少ないですが、菅井五段の怒濤の攻撃ラッシュですね。このあたりで評価点は一気に菅井五段のプラス100点くらいになり、この接戦を制するのか!?と期待が高まりつつも持ち時間はついに10分を切りました。

以下▽2二馬に▲3二飛成!

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と切ったところで評価点が一気にマイナス600点になり、絶望の空気が漂いますが、とりあえず飛車を切ったので評価が大きく振れただけのようで、以下▽同馬▲4三金▽同馬▲同成銀に▽3一銀と進みます。

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もう評価点もあてにならない感じなので、ここからは盤面を観るしかないですが、習甦が受けに回ってきます。▽3一銀に続いて、以下▲5三角に▽4一金!

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このあたりでついに持ち時間が切れて秒読みに突入! しかし後10分で7時から一時間の朝食休憩とあって、全国の観戦者は画面の前で菅井コールをしていたことと思います。

以下▲3一角成▽同金▲3二銀▽2二銀に▲4二金!

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1分将棋を切り抜け、ここで朝食休憩に。多分最善手順できたのではないかと思われます。最後の▲4二金がおそらく急所で、ここ▲3一銀不成では、持駒が金だけになると次の▲3二金が詰めろにならないので危なかったと思いますね。

というわけでついに最終局面! 一手間違えたら奈落の底の、本当のデスマッチが8時から再開します。もしかすると8時30分くらいには終わっているかもしれないので、気を引き締めて最後の観戦といきたいと思います。

それでは最後に、馬のかぶりものをかぶった瀬川五段と、戦う菅井五段の勇姿です。

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それではまた!