プロの実戦次の一手 その1

最近、iPhoneの産経新聞アプリで将棋欄を見るようになったのですが、今日の手順はなかなか良かったので問題にしてみました。

新聞の将棋欄の良いところは、一日一日ゆっくりと棋譜を鑑賞できるというところですね。普段は棋譜を見るのも、まとめてパーッと見る感じだったので、なんだかこの感覚は久しぶりですね。

第86期 棋聖戦 1次予選 宮本四段 対 宮田六段戦より

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相三間の序盤から、最も激しい変化へと突き進んだ本譜。今、後手の宮田六段が▽7七歩と垂らしてと金攻めを見せた局面です。

次の▽7八歩成が受からないので(▲7九香としても▽7五香で受からない)、なにか良い手順がないと先手劣勢となる局面。果たしてその「良い手順」とは何か。

 

新聞の将棋欄なので、昨日の最後の局面が上図だったわけですが、その良い手順とやらをしばらく考えたものの、何も思いつきませんでした。一応考えたのは▲7三馬を王手で利かせて、以下▽6二金上▲5五香▽5四香▲7四馬▽5五香▲同飛▽7四飛であれ?、、みたいな順くらい。

どちらかと言えば▲5五香と▲4五桂で上から攻め潰そうという発想しかぼくには浮かばなかったわけですが、宮本四段の指した正解手順は素晴らしかったです。

はい、それではシンキングターイム!

 

 

 

 

チーン。というわけで正解です。 正解は、、

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▲5五馬!!

パッと見ただけでは意味が分かりにくいですが、この▲5五馬、2二の銀と7七の歩の両取りになってます。

まあ▽7八歩成ですが、そこで▲8八馬!

 

なるほど、▽同ととさせればだいぶ攻めが遅れますね。しかしこれだけで終わりません。さらにそこから▲7三角!!

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一見ただの王手に見えますが、▽6二金上とかには▲5五角成!!

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はい、これでと金と銀の両取りになるという仕掛けでした。7手一組の好手順ですね。

ちなみに今日の記事は1個前の局面図の▲7三角まで。普通なら上図の▲5五馬までで切りそうな気がするので、なにかさらなる受けの好手順を宮田六段が繰り出したのか!?

いやしかし▽6二金上くらいしか無さそうだし、まあ上図の▲5五馬に▽3三角と受けてまだ難しい局面のような気がしますが、、

と、もわもわしながら明日を待ちます。何気に新聞の将棋欄も楽しいですね。それではまた明日!