NHK杯 豊島七段対西川四段戦

先日のNHK杯は壮絶でしたね!かなり終盤戦で放送時間がまだ30分もあるのに、時間を短くする編集が随所に見られたのでおかしいなと思って見ていたら、まさかの終わりの無い終盤戦が延々と続く将棋でした。

というわけで今日もまた観戦記、NHK杯戦の▲豊島七段対▽西川四段戦です。戦型はまさかの▽四間飛車対▲鷺宮定跡という布陣。

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ちなみに鷺宮というのは地名で、ふたつ隣の野方という駅にぼくは大学生のころ住んでいました。創案者の青野さんと米長さんが共に鷺宮に住んでいたからだとか、鷺宮の米長邸で研究されたからだとか聞いたことがあります。

 

さて、実戦は西川四段の優勢で進みます。下図は68手目▽5七銀と打ち込んだところで、ここはもう振り飛車圧勝ですねという局面。

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ここから▲9五歩▽5四銀▲9四歩に▽9二歩とすれば手堅かったと思うのですが、▽4三飛とぶつけたのが危険な一手で波乱を呼びます。

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▽5四銀〜▽4三飛自体はいかにも振り飛車らしい軽いさばきですが、以下▲4四歩に▽同馬が疑問なのかな?▲同飛▽同飛に▲9三金と打ち込まれてみると▲5三角があって逆転模様です。

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ただし、この手が疑問で▲5七金左なら詰めろで先手勝ちだったと思われます。というわけでさらに泥仕合が続きます。

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そして小洒落た▽9二歩などをはさみながらまだまだ続きます。が、このあたりで放送時間の残りが30分。まだまだあるのに、時間短縮の編集が多くて違和感有り。

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そしてこの局面は、先手玉が必至になって終わりかと思ったんですが、、

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なるほど、王手飛車がありました。まだまだここから30分、なんと53手も続きますからね。ここで▽同飛▲同馬▽8二玉▲4七金に▽9八飛。

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一目は6八香か桂で上部脱出に賭けるところかなと思いましたが、、まずは▲8八桂!

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1枚犠牲にして馬を助けるだけの手かと思って見ていると、、以下▽同飛成に▲9三銀!▽同歩▲同馬▽同玉▲8五桂!

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今度は王手で龍を抜く順がありました。秘術を尽くして粘りに粘る豊島七段。さすが序盤中盤終盤隙がありません。

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しかしながら最終局面、後手玉も絶体絶命に見えますが、ここから一気に先手玉が寄ります。▽5五金▲同玉▽8八角!(ぼくは▽3三角しか見えませんでした)▲6六歩以下即詰みに。

最後▲6六歩でなく金なら詰まないような気がしたけど、将棋ソフト持ってないので考えるのめんどいっす!それにしても西川四段すごいですね!そして豊島七段も魅せてくれました。こういう内容で魅せる将棋をNHK杯で観られると、将棋の魅力が伝わってくれそうで嬉しいです。

それではまた〜