VSトーチカ 序盤研究編1

今回からは四間穴熊対トーチカ(下図)を研究していきたいと思います。

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普通の▲6七金型のミレニアムと区別するために、本サイトでは上図の先手の構えをトーチカと呼んで区別したいと思います。三浦九段の「鉄壁トーチカ戦法」という本もあったことですし。

 

実はこのトーチカとかミレニアムとか、四間飛車穴熊を指している時に出会ったことが全くありません。

なのに何故研究するのかというと、ぼくが居飛車の時に対四間飛車で使うのがこのトーチカで、これもまた相手が四間飛車でも穴熊にされることなく、ノーマル四間飛車にしか使ったことが無いんですけど、対穴熊に使うとどうなるのか、果たして有力なのかどうかが気になっていたからです。

このトーチカという戦法、知名度のわりにはマニアックで、現状では指す人はほとんどいないと思います。その特徴としては、穴熊ほど硬くはないけど相手の美濃よりは硬く、穴熊より安全に組めるという二点。

しかし現代においては、藤井システムがけっこう駆逐されてしまったので、この穴熊より安全に組めるというメリットが消えてしまい、穴熊より弱い囲いということで指されないんだと思います。

まあ確かに見た目以上にもろい囲いではあるものの、端攻めに関しては穴熊より硬いような気がしなくもないんですが、対穴熊では端攻めも来ないだろうし、もろさだけが前面に出そうで嫌な感じ。

また、万が一指された時にも、知っているのと知らないのとでは段違いということで、指し手の方針だけでも見つけられればいいなと思います。

というわけでスタート!ですが、まずは最初の図からちょっと戻って下図の局面から。

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ここまでは平凡な駒組みです。トーチカ側からの速攻はまず無いので、振り飛車が望めばこの局面にはなりそうですね。

ちなみにトーチカという戦法は▲6七金型ミレニアムと大きく違うところがあって、それは囲いの形の差よりも、角を5七ではなく可能な限り6六地点に置いておくというところ。

後手から▽6五歩とされない限りは基本的に6六地点に居座り続けます。ぼくはこの戦法を10年は指していると思いますけど、これだけを忘れずに指し続けています。と書いたものの、なんで6六地点に置いておくのか理由が思い出せないんですけどね、、

まあ▽4五歩から▽4四銀型に組まれないようにしているんじゃないのか、、な?? ▲5七角型だと▽4四銀型から▽5五歩とされたら相当危険ですよね。

しかしこれは▲6七金型ミレニアムだと最初から▲5七角型だし、どうなってるんだろう? とりあえずはミレニアム編で研究するとして、いったん保留します。

 

というわけで、ぼくとしてはこの居飛車視点を逆手に取り、この局面で▽6五歩!があるんじゃないのかと思うんですよね。

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というわけで本日の課題局面はこちら。この早めの▽6五歩は成立しているのか否か。

とりあえずこの歩は▲同桂とすると▽5四銀で桂馬が死んでしまうので取れません。つまり▲5七角の一手。

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しかしここから▽4五歩〜▽4四銀型を目指すと、▽4四銀の瞬間に▲2四歩が怖いですね。しかし4八の銀が浮いているから戦えるのかな。

仮にここから▽4五歩▲5九銀▽4四銀▲6八銀▽5四歩と進むと下図。

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この局面なら▲2四歩がありそうですね。▲2四歩▽同歩▲同角▽2二飛に▲3三角成▽2八飛成▲4四馬で下図。

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これはさすがに居飛車優勢でしょうねえ。こうなってみると▲6五桂が生じているのも痛い感じ。▽5五歩▲同歩くらい入っていれば、5筋に歩を垂らして戦えそうですけどね。

振り飛車として一手か二手稼ごうと思っても、穴熊にする以上、これ以上あまり工夫の余地は無い気がしますね。

というわけで本日の結論は「早めの▽6五歩はちょっと無理」でした。次回はもう少し先での変化を考えてみたいと思います。


VSトーチカ 序盤研究編1」への2件のフィードバック

  1. たはらZ

    初めまして!!
    私は四間飛車穴熊党で倶楽部10級の者です!
    弱いためあまり理解できてないかもですが。。。
    いつもこのサイトを楽しく読ませていただいています。!
    ブログの更新、大変だと思いますが頑張ってください(^O^)

    1. H-I 投稿作成者

      たはらさん初めまして!
      応援コメントありがとです!
      四間飛車穴熊党の人が来てくれると嬉しいですね。また遊びにきてくださいね〜

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