VS居飛車穴熊▽4四歩型 その20「続・PonaX新手」

前回紹介したPonaX新手がこちら。

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この、振り飛車優勢とされていた局面での▽8六歩▲同歩▽5五銀の仕掛け。

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これが新感覚の仕掛けで、▽6六銀を見せて▲6七金の受けには▽4二角で居飛車優勢になりました。そこで今回は「目には目をPonaXにはPonaXを」ということで、PonaXに導き出してもらったもうひとつの受け、▲4八飛!を検討してみます。

 

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この▲4八飛、一見受けになっていないように見えますが、指されてみればなるほどの一手。つまり▽6六銀には▲4四歩!で受かっていたのです。

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▽4四同歩には▲6六角で銀得。▽4四同角も▲同飛▽同歩▲6六角。なるほど、受かってますね。次の問題は、では▽6六銀ではなく▽4二角にはどうするのか?

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▲6七金とすると前回同様に▽8六角で悪いですが、▲4七金とすれば▽8六角には▲8八飛で受かる形。

PonaXはさらにここから▲5六歩!▽4四銀を入れてから▲4七金と指しました。

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この方が得と見ているのでしょうが、玉を固めさせるのでどうかなとは思います。以下は▽7四歩に▲4五歩▽3三銀とさらに固めさせてから▲8八飛。

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この▲5六歩と▲4五歩は必要なのかどうかはよく分かりませんね。仮に入れないと下図。

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まあ▽3三角とか▽2四角とか、後手に手段を与えているのかもしれないですが、個人的にはこちらの局面の方がましに見えます。実際に単に▲4七金をPonaXにも指させてみましたが、ここで▲8八飛ではなく▲4五銀!と指していました。これはこれで一局ですね。

では戻って実戦の▲8八飛の局面へ。

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この局面は、結果的に▽8六歩以下の仕掛けを咎めることに成功したようにも見えます。まず局面を落ち着かせることに成功し、1歩得+銀が手持ちのメリット。

しかし居飛車も4枚穴熊に組めているので、良くても互角くらいですかね。結局ここから▽7五歩▲同歩▽同角▲7六歩▽4二角と進むので、1歩得のメリットはあまり残らないですね。

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というわけで、ここを結果図とします。ここまで進めば、まあ互角に近いのではと思います。しかし4枚穴熊はいつ見ても勝てる気がしませんけどね。

ちなみにPonaX対PonaXのここからの結末は、、なんと236手という大熱戦の末、後手勝ちに。振り飛車の細い攻め対居飛車の受けが延々と続き、途中は振り飛車の攻めが決まったようにも見えましたが、最終的には受け切り勝ち。

つまり、PonaX新手は成立するものの、はっきりと居飛車優勢になるというわけではなさそうなことが分かりました。しかしこの展開は、居飛車としてもまずまずと思われるため、▽3二金寄を先にする必要性は無くなったと思われますね。

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この局面で▲4五歩の仕掛けを見送れば通常形に戻るだけなのですが、居飛車としては自然な駒組みが可能になったことは地味ながら進歩ですね。

PonaXには定跡を新たに作り出すチカラがあるように思います。恐ろしいですね。


VS居飛車穴熊▽4四歩型 その20「続・PonaX新手」」への2件のフィードバック

  1. TWINING

    たまにふらりと勉強させていただいております。
    私も四間飛車穴熊使いなので、非常に興味深いです。

    ≫この▲4八飛、一見受けになっていないように見えますが、指されてみればなるほどの一手。つまり▽6六銀には▲4四歩!で受かっていたのです。

    この手には ほおー!と驚嘆しました。

    これからも楽しみにしております。

    1. H-I 投稿作成者

      TWININGさんコメントありがとうございます。
      ▲4八飛で受かっているのは盲点になりますね。

      ▽6六銀でつぶれていると思っているので、
      それを許す手はなかなか考えつかないです。

      しばらくは3日に1回程度更新してますので、
      また遊びにきてください!

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