VS居飛車穴熊▽4四歩型 その23「▲4五歩早仕掛け編3」

四間飛車穴熊から果敢に仕掛ける▲4五歩早仕掛け編。第3回は居飛車が▽4三金と受けてきた場合を検討していきます。

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ここで先手からの対応はおそらく3パターン。

①▲4四歩▽同歩▲4五銀の仕掛け

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ここで▲4四歩▽同銀を決めておかないと、次に逆に▽4五歩▲同銀▽4四歩とされてどうなのかという感じがしますよね。なので▲4四歩▽同銀までは決めておきたいと思うのが人情。

ここから踏み込んでいく▲4五銀が仕掛けとしては有りそうに見えますけど、どうか。

 

②▲4四歩▽同銀から▲3九金と様子見

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タイミングを計る指し方で、▲4四歩▽同銀まで入れてから落ち着く指し方。これはこれで後手の形を決めさせているので、悪くなさそうな感じ。果たしてどうか。

 

③単に▲3九金

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PonaXが指した一手。しかしこう指すと当然▽4五歩▲同銀▽4四歩と進むので、これが最善かどうかは判断が難しいですね。

この形はPonaX対PonaXの実戦例を観戦していきたいと思います。

 

というわけでまずは①▲4四歩▽同銀▲4五銀の仕掛けから。

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このタイミングで動くならこれしかないかな、という手順。対して後手も▽同銀以外(▽5三銀など)では▲4四歩と打ち込まれるので、以下▽4五同銀▲同飛まではいきますね。

さらに▽4四歩と打つのでは面白くないので▽3二金と受けるくらい。

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まあここまでは一直線だと思います。そして問題の局面でもあります。後手玉は3枚穴熊が完成しており、先手陣は未だバラバラなので、ここから先手としては居飛車からの仕掛けに対応できるかどうかということになります。

まず第一感は一手で引き締める▲5九金左ですが、、地味ながら▽6七銀でまずそうです。

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▲6五歩と決戦を挑んでも▽4四歩と閉ざされると手がないですね。あとは角をいじめながらゆっくり▽8六歩が間に合ってくる算段です。

では▲5九金左ではなく▲5八金左としても、、

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今度は▽7八銀があってあまり変わらず。▽8九銀不成から▽7八銀成にすら対抗できないですね。

というわけでしょうがなく▲3九金としても、単純に▽8六歩の仕掛けが厳しいですね。

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▲同歩は▽8八歩▲同角▽8六飛で、▲7八金とするようでは勝てないので▲8六同角ですが、以下▽6六角▲7七桂までは一直線。さらに▽8六飛▲同歩▽7七角成という強襲もなくはないですが、普通は▽5七角成で下図。

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急所に馬を作られて振り飛車劣勢に見えますが、実はそうでもなさそうです。なんといっても飛車角が急所に利いていますからね。6九の金を差し引いても戦えそう。

具体的には▲4一銀か、▲4四歩▽3三金寄▲4一銀と攻めるのが良さそうです。飛車角が利いていて居飛車の対応がかなり制限されています。

PonaX先生の選択は▲4四歩〜▲4一銀で、以下▽4二金寄▲同角成▽同飛▲4三歩成▽同金に▲5二銀成!と進んだのがPonaX対PonaXの一戦。

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これは振り飛車優勢と思います。ですが、実際の対局はここからお互い受けに回って超持久戦となり、結果的には形勢不明になりました。

ちなみ単に▲4一銀だと、以下▽3三金上▲4三飛成▽同金▲3二金のような展開になります。

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以下▽6六馬で、攻め切るのは容易ではないですが、少なくとも振り飛車の攻め対後手の受けという展開で、これも振り飛車悪くないのではと思います。ボナンザ先生と指した感じでは、けっこう勝てる手応えです。

というわけで単に▲4一銀でもいけそう、というのが現段階の感想です。

 

以上により、今回はまさかの振り飛車いけるのでは?という結論です。実は少し気になる変化はあるのですが、ここまできたら後は実戦で試してみたいですね。

この▲4五歩早仕掛けは、居飛車が▽4四歩+▽5二金右型であれば使えるので、近いうちに試す機会はありそうですが、最近忙しいのでいつになるやら、、

 

そんな感じで次回は、残りの②▲4四歩▽同銀から▲3九金、③単に▲3九金を見ていきたいと思います。それではまた!