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広瀬八段の四間飛車穴熊 実戦譜研究2

今回もまた、広瀬八段の四間飛車穴熊対、豊島七段の左美濃の将棋を見ていきたいと思います。はい、それではまず前回のクエスチョンから!

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次に▽6五桂跳ねを狙ってきた局面。この桂跳ねは7七の飛車に当たりながら、5四の飛車と共に5七地点を狙って非常に厳しい一手となります。

ここでの広瀬八段の指し手は、下記の4つのうちどれでしょうか?

①▲7四歩 ②▲7六飛 ③▲8三角 ④▲6六歩

という四択問題でした。

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広瀬八段の四間飛車穴熊 実戦譜研究1

今日は広瀬八段の実戦譜を研究していきたいと思います。対戦相手は豊島七段、そして戦型は対左美濃です。

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まず居飛車は穴熊を匂わせる布陣です。一見普通の相穴熊の序盤戦に見えますが、、

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ここで▽3二銀!と、▽1二香の前に早めに▲5六銀と上がった手を咎めるべく左美濃を宣言。

なぜ左美濃にすることが早めの▲5六銀を咎めているのかというと、左美濃というか銀冠の天敵である▲6六銀型の攻撃形に組めないからです。

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広瀬八段の四間飛車穴熊 実戦次の一手1

先日、将棋世界4月号をiPadで読んでいたら、広瀬八段の四間飛車穴熊講座の連載が最終回を迎えておりました。

じつはここ数年、将棋世界はずっと電子書籍版で読んでいました。しかしこの電子書籍版、いかんせん途中のページから読むというのがしづらいんです。

だから前から順番に読んでいくわけなんですけど、将棋世界の最初の方って、一ヶ月前のタイトル戦の観戦記とかが連続して面白くなくて途中で力尽きるんですよね。 

まあそれはさておき、この広瀬八段の連載、四間飛車穴熊党としては垂涎のコーナーだったよね!と思いきや、ここ半年は仕事が忙しすぎて、将棋世界をそもそも全然読めてなかったんですよね。だからこの連載の存在自体、知ったのが最近です。

一応、第1回から読み直してみましたが、定跡の解説が中心だったので、自分としてはそんなに読まなくてもいいかなあと思いました。でもやっぱり途中で力尽きたので、後半ほとんど読んでないですけど、、

 

が、このコーナーの最初にある「今月の頭のトレーニング」という問題を見て、うーん、解けない!と思って解答を読もうとしたら、このコーナーの最後までいかないと解説が読めないんですよね。

これは電子書籍的にはかなりめんどくさい作業で、しかも頑張って移動したのに解説のところに問題図の局面が無いというオチ。うう、問題図のとこに戻ってまた解説見てとか電子書籍では絶対無理。

じゃあ問題図から解説まで自分で書くか、、というわけで長い前置きにお付き合いありがとうございます!今日は広瀬八段の四間飛車穴熊の実戦からの問題です!!

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2012年の広瀬ー豊島戦より。ぱっと見はかなり後手玉に迫っていて、自玉も2手スキで勝てそうに見える局面です。

ヒントは誌面上では書いてあったけど、書いてしまうと面白みが半減しそうな問題と思うので書きません。さあ、ここで後手玉を寄せる次の一手、というか一気の寄せとは、、?

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第3回将棋電王戦 エンディングPV

いやあ、屋敷九段負けましたねえ。9時半開始からずっと観てたんですが、終わるの24時過ぎですよ。こんなに長い番組を観たのはゲームセンターCXの24時間生放送以来ですよ。

というのはさておき、本局では途中でponanzaに2回ほど疑問手っぽい手が出ました。

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まずは露骨に角を取りに行く▽1六香!

ここから角を追い回し、きっちり角を取ったのはお見事でしたが疑問手ですよね。ここで形勢は屋敷九段に傾いた、と言われていましたが、実際は形勢不利なのが互角に近づいたというだけだった気がしますね。

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第3回将棋電王戦 最終局PVの完全版

日付が変わってついに今日、電王戦最終局の日になりました。屋敷九段には人類のプライドを賭け、米長前会長のことを想いながら、プロの意地を見せる!と、どこかで聞いたフレーズで頑張って欲しいと思います。

というのはさておき、ついにニコニコ動画にて先週公開された最終局PVが完全版で登場!

先週の森下九段対ツツカナの映像が加わり、完全版となったこのPVを観ながら寝ようと思ったら、泣いてしまって逆に寝られないというわけで、、、

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VS糸谷流右玉 その2

それでは前回のつづきから、、

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糸谷流右玉を目指す先手に対して、果敢に▽4五歩と仕掛けた局面。実戦は▲同桂でしたが、まず▲同歩だとどうなるかを考えます。

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どちらかと言えば、この▲4五同歩の方が先手としては有力だと思うんですけどね。まあ後手は1歩損したので止まれない局面。当然▽8八角成▲同銀▽5五角。

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この時▲4八金とかだと▽8八角成があるので、この3七の桂取りの受け方が難しいと思ったから仕掛けたんですが、指しづらいけど▲3八飛で受かっているのかどうか。

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形は悪いですけど、こう指されてみると攻めが封殺されてしまった感じ。しかし1歩損の上に角まで手放してしまっているので、攻め続けるしか無いですね。うーん、どうするか、、

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VS糸谷流右玉 その1

気を抜くとやってくるあの戦法、、そう、糸谷流右玉です。

糸谷六段がまだ奨励会三段の頃、よく将棋倶楽部24の最上段で戦っているのを観戦し、自分もマネして使っていたので、当時はちょっと研究していたりもしたのですが、対四間飛車の序盤の駒組みに疑問が生じて使わなくなってしまいました。

しばらくは対ゴキゲン中飛車用にのみ使っていたのですが、勝率も微妙だったので今では完全に使わなくなってしまいましたね。

そんな糸谷流右玉ですが、いざ四間飛車側をもってみると、具体的にどう指していいのか戸惑ってしまったので、ちょっと研究をしておこうかと思います。四間飛車穴熊を目指す以上は避けられない戦法ですからね。というわけでまずは出だしの局面から。

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この▲3六歩がその序章です。しかし、1年以上遭遇していなかったので右玉は全く思考に無く、急戦かなと思い、それならばと▽3二銀と構えたのですが、そこで▲4六歩。

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むむむ、以前研究した急戦 スピード角交換か? と、そっちに気が取られる始末。

しかし糸谷流右玉を目指すのであれば、ここは▲3七桂のはず。自分としてはその▲3七桂があまりに不自然な印象を受け、実際そこで▽4五歩と指されると右玉には出来ず、形勢はともかく不本意な序盤戦になってしまうのが嫌でした。

しかしこの▲4六歩にも、▽4五歩が気になりますよね。実際にぼくも対局中は考えてました。

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