将棋裏技メモ その1「先手位取り中飛車の裏技」

将棋の裏技をメモるコーナー「将棋裏技メモ」、今回は先手位取り中飛車の裏技です。

今は四間飛車穴熊の研究の為に指していない形なのですが、先手番で▲7六歩▽8四歩のスタートの時によく▲5六歩(下図)と指していました。

kifu20140207d

個人的にこの局面での▲5六歩は最善手なんじゃないかと思っていたりするのですが、それはさておき、ここから▽8五歩▲7七角▽5四歩と位取りを拒否されたら向かい飛車へ、▽3四歩なら▲5五歩から位取り中飛車へ、というのがなかなか有力な作戦です。

有力ながら指されたことないなあと思ったのですが、まず自分が2手目に▽8四歩と突くことがほぼ無いので、それは指されるわけないですね。

というわけで今回ご紹介するのは、ここから位取り中飛車へと進んだ時に「後手がうっかり超速▲3七銀(実際は▽7四銀)できたときの裏技」です。

 

後手番で超速なんかしてくる人いないでしょう?と思う人も多いかと思いますが、まあ最近一番の流行りですし、後手番でも研究している形で戦いたいと思うのがアマの心情というもの。

この形で位取り中飛車を指すと、昨年限定ではありますが、体感でなんと5割程度の相手が超速を使ってきますね。それだけ流行っているということでもあると思います。

さて、それでは後手が実際に超速でくるとどうなるのか、、ポイントは下図です。

kifu20140207a

上図は一見普通の序盤戦ですが、実は先手はこの形を最初から想定した駒組みをしていました。さりげないですが、この先手の布陣「▲6六歩▲6七銀型」がポイント。

まあこの形だけ見たら手順は簡単と思いますが、まずは▲6五歩。

kifu20140207b

銀が出たからには▽同銀しかありませんが、そこで▲6八角。

kifu20140207c

なんとこれだけで銀挟みの形となり、次の▲7七桂の銀取りが受からないのです。まあ普通によくある手筋ですが、最初から一手の緩みもなく▲6六歩〜▲6七銀とする必要がある上に、ぱっと見はハメ技がある形に見えないので、先手が目指せば出現率はけっこう高いと思います。

ちなみに次に▲7七桂とすると▽6四歩としてくるので、すぐに銀は取らずにじっくり駒組みをして、相手が仕掛けてきたタイミングで銀を取るのが良いと思います。

ちなみに後手が超速ではなく穴熊できた場合ですが、下図のように組みます。

kifu20140207e

高美濃から三間飛車にするのがポイントで、途中で▲6八飛を入れて▽7三桂と跳ねさせてから▲7八飛とすると効果的です。以下は▲5九角や▲6八角から石田流に組み替えれば、この形はかなり振り飛車作戦勝ちの図のはず。滅多に指さないけど自分の得意形です。

とにかく早めの▲6六歩がポイントで、この形を解説している棋書はほとんど無いので裏技としては地味だけどかなり優秀だと思います。

ちなみにこの指し方を思いついたのは、一時期流行った菅井流▽4四歩を見た後に、鈴木八段の昔の中飛車の本で角道を閉じて持久戦にする指し方が載っていたのを思い出して組み合わせてみたら超速を防ぎつつ5筋位取りを活かした持久戦に持ち込める一石二鳥の指し方だったんですよね。

以上、ふと思い出したのでメモっておこう!のコーナーでした?このコーナーに次回があるかわからないけど、、また!