気を抜くとやってくるあの戦法、、そう、糸谷流右玉です。
糸谷六段がまだ奨励会三段の頃、よく将棋倶楽部24の最上段で戦っているのを観戦し、自分もマネして使っていたので、当時はちょっと研究していたりもしたのですが、対四間飛車の序盤の駒組みに疑問が生じて使わなくなってしまいました。
しばらくは対ゴキゲン中飛車用にのみ使っていたのですが、勝率も微妙だったので今では完全に使わなくなってしまいましたね。
そんな糸谷流右玉ですが、いざ四間飛車側をもってみると、具体的にどう指していいのか戸惑ってしまったので、ちょっと研究をしておこうかと思います。四間飛車穴熊を目指す以上は避けられない戦法ですからね。というわけでまずは出だしの局面から。
この▲3六歩がその序章です。しかし、1年以上遭遇していなかったので右玉は全く思考に無く、急戦かなと思い、それならばと▽3二銀と構えたのですが、そこで▲4六歩。
むむむ、以前研究した急戦 スピード角交換か? と、そっちに気が取られる始末。
しかし糸谷流右玉を目指すのであれば、ここは▲3七桂のはず。自分としてはその▲3七桂があまりに不自然な印象を受け、実際そこで▽4五歩と指されると右玉には出来ず、形勢はともかく不本意な序盤戦になってしまうのが嫌でした。
しかしこの▲4六歩にも、▽4五歩が気になりますよね。実際にぼくも対局中は考えてました。
▽4五歩以下、平凡に進めると▲4五同歩▽8八角成▲同銀▽5五角▲3七銀で下図。
この▽5五角が成立するかどうかがこの仕掛けのポイントだと思いますが、この形はなんとも言えませんね。強引にいくなら以下▽4五飛▲4六歩▽同角!▲同銀▽同飛とかですかね。
一目は無理な仕掛けですけど、先手も歩切れで受けづらい形ではありますね。この仕掛けは無理としても、こういう早い展開では、糸谷三段はけっこう負けていたと記憶しています。
まあ4八銀型だとまだ先手も低く堅いので、仕掛けるタイミングとしては早いと思います。というわけで▽6二玉に▲3七桂。
ここでやっとぼくも「あ、糸谷流か、、」と気付きました。
だけど、ここもまだ仕掛けるには早い感じ。ひとまず▽7二玉とし、▲1六歩▽1四歩の交換の後に、、▲4七銀!
けっこう序盤で▽1五角が決め手級になってしまうことがあるので、1筋の交換は早めに入れたくなるのですが、このように早すぎると1筋が手薄なので善悪は微妙。
しかしながらこの▲4七銀がぼくの嗅覚をくすぐる一手でした。たしか糸谷三段は▲3八金を先に入れていたはず。むしろ▲4六歩も保留したままだったような。
逆に言うと、そこまでしないと四間飛車に対して▲4六歩〜▲4七銀型に組めないということなんだとぼくは思っています。つまりここが▽4五歩と仕掛ける絶好のポイント!
いくぜ▽4五歩!!、、と、盛り上がってきたところで、、、次回へつづく!!
あ、ちなみに仕掛けどころが見つけられずに持久戦になった場合は、下図のような形を目指すといいと思います。
適当に駒を配置したので手数は合ってないと思います。ポイントは、
①玉はひとまず▽7二玉+▽6二金ですませて攻撃型を作るのを優先。
②左金を攻撃に繰り出す。
以上の2点です。
まあ実際この形になっても指し手は難しいんですが、以前羽生三冠がこのように指して勝っていたのを観たことがあるので信用度は高いです。
というわけでまた!