今回もまた、広瀬八段の四間飛車穴熊対、豊島七段の左美濃の将棋を見ていきたいと思います。はい、それではまず前回のクエスチョンから！

次に▽６五桂跳ねを狙ってきた局面。この桂跳ねは７七の飛車に当たりながら、５四の飛車と共に５七地点を狙って非常に厳しい一手となります。

ここでの広瀬八段の指し手は、下記の４つのうちどれでしょうか？

①▲７四歩　②▲７六飛　③▲８三角　④▲６六歩

という四択問題でした。

 

①▲７四歩は、▽６五桂で簡単に負けでしょう。以下▲６七飛には▽７八角などで。

②▲７六飛はぼくの第一感だった一手。なんとなく振り飛車っぽいかなあというだけですけど。▽６五桂に対しては、まあ最悪は放っておいてもこの形なら▽５七桂成に▲６六角の返し技があるし、かるく▲５六歩くらいで受かってないかなあ？

③▲８三角は、６五地点に利かして、いかにも広瀬流かなと思ってぼくがひねり出した一手。これもありそうだと思うけど、▽６五角と合わせられたらどうなんだろう？▲７四歩でなんとかなるかな。であれば有りだとは思いますけどね。

というわけで、④▲６六歩が正解でした！

凄い手ですよね。まさに我慢の一手。とにかく▽６五桂を活かして長期戦に持ち込むということですね。

上図以下は▽８六歩▲同歩▽９八角▲７四歩▽７六歩▲７九飛▽７四飛▲７二角▽８八歩▲８三角成▽６四飛▲７三馬▽８九歩成▲４九飛と、こってりした手順で進みます。

形勢はなんとも言えないですが、四間飛車穴熊の遠さが活きる展開になりそうではありますね。ここからは先手の４筋攻め対後手の受けという戦いになります。

少し進んで下図。

うまく４筋で手を作った先手に対して、後手も攻防に▽７六馬と出た局面。ここから広瀬八段の華麗な攻撃が始まります。

▲４三歩成▽同銀に▲同飛成！▽同馬▲４四歩▽同銀▲５四銀！

見事な食いつき。しかし３枚の細い攻めで、ここからが正念場です。

以下▽５五銀▲４三銀成に▽４二歩と受けられて切れかけですが、▲５二金！

なんとか駒を繋いで食いつきます。これもなかなか良い手筋。

しかし▽５二同金▲同成銀と相手玉と反対方向に行ってしまうのが哀しいところ。さらに▽ここで▽７二飛！と当然受け切りにきます。

なんだかんだと長くなってきた上に、この将棋はまだまだ面白い手順が続くので、今日はここでクエスチョン！

Q：この局面で広瀬八段が指した、攻めの継続を計る一手とは何でしょうか？

①▲４一角　②▲４三歩　③▲５三金　④▲５四角

また四択問題です。それではまた〜