四間飛車穴熊対地下鉄飛車の定跡研究第2回です。
前回は、四間飛車穴熊側が平凡に対応するとどうなるかを見ていきましたが、最後に上図の次の一手問題を出題して終わりました。選択肢は①▲1六同銀 ②▲2六銀 ③▲2八銀 ④▲2八玉でした。さあ答えは分かったでしょうか?
というわけで正解は、、
③▲2八銀、でした。
ちなみにぼくはいつも困った時は▲1六同銀と指してましたね。何故かというと、受けに困った時は「最も駒損する順を選ぶ」ようにしているからです。だいたい最も駒損する順を選ぶと、駒損の代償にその場は収まることが多いんです。はい、ここテストにデマスヨー。
というのはさておき、まあここでの▲1六同銀は駒損のタイミングが早すぎて勝てないでしょうね。駒損するなら終盤です。また、②▲2六銀は▽同角で止まらず、④▲2八玉と逃げるのもやはりこのタイミングでは駒損が大きすぎます。
色々書きましたが、こうして問題にすることで正解手順の▲2八銀を身に付けようということでした。そして以下は▽1七歩成▲同香▽同香不成▲同銀▽同角成▲同桂▽1六歩に▲1八歩で下図。
前回解説した、▽1七桂成に▲同香とした変化と似ていますが、▲2八銀とすることで相手に歩を1枚多く使わせることができたので、この▲1八歩が可能となり受け切ることができました。
以下は▽1七歩成▲同歩▽同飛成には▲1八香が痛打。というわけで、問題図となっていた▽1六歩が疑問手なのでした。
ここでの正解は、、
▽1七同角成!でした。
まあここは2択という感じの局面でしたが、端攻めをしていると結構こういうところは迷いますよね。でもやはり、▽1六歩に▲2八銀と戻れるような時は先に角を切るべきですね。
そして以下は▲同香▽1六歩▲同香▽同香と進んで下図。
ここで普通に▲1七歩ではなく▲2八玉!が最善の一手。
このタイミングで玉を逃げ出すのが急所で、この瞬間はむしろ角銀交換の駒得です。以下▽1八香成▲3七玉と、脱出に成功します。
意外とこの局面、難しくなってますよね。穴熊は崩壊しましたが、居飛車もここからの指し手は悩むところだと思います。そして次の一手は知らないとなかなか指せないですね。それが▽6四歩!
いやあ、こんな手があるんですねえ。以下▲同歩に▽2九成香▲同金▽2五桂にて居飛車優勢。
6筋の突き捨てで▽6五香が残り、挟撃体勢となっては勝てないですね。しかしここでも逆に▲2五桂と打てていれば振り飛車有望らしいので、意外と地下鉄飛車ってギリギリな戦法なんですね。
というわけで、平凡に対応するとどうなるかが分かってきたところで、次回は本格的に対策を検討していきます。それではまた!