広瀬八段の後手四間穴熊!第56期王位戦七番勝負第4局一日目

今回の王位戦も早くも4局目。ここまで1勝2敗できた我らが広瀬八段ですが、ついにこの急所の一局で伝家の宝刀「四間飛車穴熊」を投入!

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待ちに待った広瀬八段の四間飛車穴熊の登場です。しかも最近流行りの後手番の四間飛車穴熊ですね。しかも広瀬八段の新構想も出てきます。

まずはお互いに穴熊へと組み合い、下図のタイミングで▽4五歩。

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この局面で▽4五歩と突くと、電王戦のように▲5七銀とする手には、▽7七角成に▲同桂とするしかないため振り飛車作戦勝ちになります。

ちなみに今の手順中▽7七角成に▲同金とするのは、以下▽3九角▲5八飛▽5七角成!▲同飛に▽4六歩で振り飛車優勢に。

というわけで羽生王位の選択は▲5五歩。

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ここは通常は▽6三銀と▽6五銀の二択です。広瀬八段の棋書ではここで▽6三銀からの持久戦を推奨しているので、当然ながら▽6三銀の一手だと思って見ていたのですが、、

広瀬八段の新構想「2手損の▽4三銀!」

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これは驚きです。タイトル戦ということを考えると、用意の一手だと思いたいですが、この手は1時間13分の長考で指されました。

狙いとしては、2手損してでも▽4四銀型を作って動いていくということだと思われます。相穴熊戦での▽4四銀型はいまだかつて見たことがないので、一体どうなるのか興味深いですね。

そして上図以下は▲8八銀▽4四銀▲7九金と進んで一日目が終了。

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ここから動くなら▽4六歩▲同歩▽6五歩▲同銀▽5五銀しかないですが、以下▲2四歩▽同歩▲3五歩で先手優勢と言われているみたいです。

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以下▽4六飛には確かに▲3四歩▽4四角▲5六歩が激痛ですね。他に見えるのは▽6二飛くらいですが、飛車のポジショニングの差が痛い気がします。▽6六歩が利けばまだ戦えそうな気がしますけどね。

動いてダメなら待機するしかないですが、単に▽5二金▲7八金寄▽6二金寄と進めるのは▲6八角で振り飛車困りそうというのが控え室の検討のようです。

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以下は▽2二飛に▲3七桂くらいで、確かに動きようがないですね。しかしこのような展開で指すしかないのか。

しかしこれこそ必敗形の気がしますけどねえ。というわけでこの一手前、▽5二金▲7八金寄の局面で▽4六歩▲同歩▽6五歩から動いていくのはどうか。

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以下は先程と同じように▲6五同銀▽5五銀▲2四歩▽同歩▲3五歩に▽4六銀!

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これで角をさばいて勝負という構想です。▽5二金▲7八金寄の交換を入れたのは、4六の銀が5七に成れるようするためです。

とまあ、色々と妄想しながら明日を迎えたいと思います。それではまた!