VS5筋位取り+銀冠 自戦記1

ドワンゴと日本将棋連盟が8/29に「将棋電王戦に関する記者発表会 2014」開催へ、というネットニュースが出ましたね。来ました、将棋電王戦4.0の開催発表会が。昨年も同時期でしたが、とにかくPVがめちゃくちゃ楽しみです。開催発表PVは毎回盛り上がりますからね。

それにしてもこの発表会、なんだかAppleのiPhoneの発表会のような位置づけにぼくの中でなってきました。しかしiPhone6も早く発表してくれないと、ぼくのiPhone5が火を噴きそうです。

というわけで今日は、久々に24で将棋を指したので自戦記をいってみたいと思います。戦型はぼくの後手四間穴熊対、見たことのない5筋位取り+銀冠という斬新な組み合わせでした。まあB級戦法的な本で見たことがあるような気がしなくもないですけど。

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組み上がり図はこんな感じ。とりあえずは対5筋位取りのオーソドックスな布陣に構えてみました。振り飛車としては完成形なので、ここから動きます。

 

まずは▽5四歩。

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普通の対5筋位取りの対策と同じように、まずは5筋で1歩を手にしようという動きです。ただの1歩交換を想定していましたが、以下▲同歩▽同銀に▲3五歩!

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すかさず仕掛けてきました。まあこの手もあるかなとは思ってはいましたが、4九の金が離れているので▲5五歩を予想していました。でも今見ると▲5五歩には▽6五銀とかぶつけられるのが嫌だったんですかね。手数を掛けた銀が簡単に交換になるのは嫌な気もします。

しかし一応▲3五歩は想定の範囲内だったので、もし指されたらこの手を指そう思っていた用意の一手がこちら。

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以前、なにかでボナンザ先生の指し手として紹介をしたことがある▽4五銀!のぶつけ。この異筋の銀が良い感触です。この局面では銀交換必至ですし、▲同銀▽同歩になるとさらに角交換にもなりそうな上に次に▽4六歩まであるという素晴らしさ。

これぞ振り飛車のさばきだよね〜と会心の手応えですが、実はその先の変化で一抹の不安を抱えておりました。上図より▲4五同銀▽同歩▲3三角成▽同桂に▲7七角!

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対銀冠でよく出てくる気がするこの桂取りの角打ちです。うーん、受けが無い。今見ても受けが見えないですね。

▽4三飛には▲3四歩や▲4四銀や▲5二銀などよりどりみどり。▽3二飛は▲2四歩か▲3四歩というように、つまりは3三の桂取りと同時に▲3四歩を防ぐ手段は皆無ということですね。

本局は30秒将棋だったので、さっきの局面からここまで、慎重に30秒ずつ使って指し進めてきたものの、何も閃かず。そしてしょうがなく指したのは▽5五歩。

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対して▲同角とされても別になにも無いんですけど、まあ▽4四銀とか当てられる手が気になって指しづらいのではという読み。というわけで実戦は▲3四歩で、これも十分に嫌な感じ。

以下は開き直って▽4六歩▲3三歩成▽4五飛▲4六歩▽同飛▲4八歩と進んで下図。

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こう進んでみると、桂損だけど飛角銀がめいっぱいさばけ、穴熊ということもあり振り飛車優勢ですかね。しかし、ここでは▽7五歩の予定だったんですがどうしても▲5五角がチラチラ気になってしまってつい指してしまったのが、、

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▽5六飛!

すごいです、この一手。なんといっても次に、、

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この▲4七銀の一手で飛車が詰むという、、

一手かけてわざわざ飛車を取られにいくというのはなかなか見られないですよね。以下は遅ればせながら▽7五歩に▲5六銀▽同歩▲4四角で下図。

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目標になっていた角を好位置に飛び出し、一見居飛車好調に見えたこの手がなんと悪手でした。実は居飛車の配置はかなり悪いんですね。そしてこの▲4四角を咎める一手がこちら。

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突然受けに回ったかに見える▽5三銀!悪手を指しながらもここでは落ち着いていましたね。流れとしては以下▲3五角ですが、そこで▽5五角!

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そう、この王手飛車があったんですよね。以下▲7七桂には飛車を取らずに▽7六歩!

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以下▲2六飛に▽7七歩成以下一気に攻め込んで最終盤を迎えました。

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あと一枚あれば、というところまで追い込んだものの持駒無し、、

というところでクエスチョン! ここで決め手があります。その手はなんでしょうか?

 

チッチッチッ(秒針の音)

 

はい、分かりましたでしょうか。正解は▽6六角ではなく、▽1九角成でもなく、、ふわっと

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▽4四角!でした。銀を取っても香を取っても詰めろにならないですが、飛車か角を取れば詰めろになるのでこの手が決め手になりました。

というわけで以下振り飛車の勝ち。本局はなかなかぼくらしい変な手が多く指せた感じがして楽しい将棋でした。それではまた〜