VS居飛車穴熊▽4四銀型 その2

<前回のあらすじ>
▽4四銀型からの▽5五歩反発型を、飛車先不突きでくらったH-I。いったい通常形とどこが違うのか?さあ今日もレッツ研究!

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そういえば八重洲ブックセンターで「将棋サイン本フェア」が始まりましたね。これは毎年やってるみたいで、というか売れ残りなのかわからないけど、この八重洲ブックセンターではよくサイン本が通常の値段と変わらず置いてあることが多いです。あとは新宿の紀伊國屋とかですかね。

そしてこれが、ああこないだ買ったばかりのあの棋書が!あ、先週買ったこっちの棋書までサイン本に!という、棋書を即買いするぼくにとっては地獄のイベント。

あとはやけにひふみんのサイン本が多かったり(売れ残り?)するんであまり行かないんですけど、買い逃した本がサイン本で手に入るチャンスなんで、というかサイン本が通常の値段なのでめっちゃお薦めイベントです。ぼくは極力行かないけど、、

 

さて前回の続きで、今日は下図の②▽5六歩を研究します。

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通常の定跡形(上図より▽8四歩▲1九玉▽8五歩▲7七角が入っている形)と前回の▽2四角は同じ変化でしたが、今回はかなりやっかいでした。

詳しくは後述しますが、▽8五歩▲7七角が入っていない為、定跡形に出来ないんですよね。

 

まずは上図より少し進めます。▽5六歩以下、▲同歩▽5七銀。

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通常の定跡は以下▲6七飛▽4六銀成▲6五歩なんですが、本譜だと8八の角が浮いている為▲6五歩が突けないんです。

もうひとつの定跡手順として▲6七飛▽4六銀成に▲4七銀とする指し方があります。

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ちょっと変な手ですが、▽同成銀▲同飛となればすっきりして指しやすいという意味ですね。よって▽4五成銀で下図。

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またしてもここで定跡手順は▲6五歩!なんですが、やはり角が浮いていて突けないですね。次に▽5二飛から▽5六銀が見えているので、ここはなにか手を探さないといけない局面。ぼくが考えたのは▲4六歩▽4四成銀に▲6五歩の順です。

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これなら次に▲6四歩があって厳しく、▽6二飛ならゆっくり駒組みできそう。気になるのは▽5四成銀ですが、以下▲3三角成▽同桂となって下図。

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互角に見えますが、▽8八角があるのでゆっくりできないですね。候補手はA:▲3六角、B:▲7七角、C:▲6四歩くらいでしょうか。

A:最初は▲3六角で簡単に良くなると思ったんですが、▽5二飛で簡単では無さそう。

B:▲7七角はとりあえず▽8八角を防ぎつつ無難な一手。ただし▲6八飛には▽5七角があって好形にできずなんとも言えない感じ。しかし▽1二香型に対して▽3三桂とさせているので、落ち着いてしまえば振り飛車優勢のはず。

C:最後に▲6四歩ですが、▽同歩には▲6三角があるので▽同成銀を強要させる一手。とりあえず突いてみたい手ではあるけど、結局▲7七角を打つくらいかな。

 

以上のように▲4七銀と打つ変化はけっこう難解でした。最後▲7七角で優勢になるとは思うんですけどね。ここでまた▽5七銀打の局面に戻ります。

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今までの変化は全て8八の角が浮き駒なのを逆用されたような手順が多かったので、今度はそれを活かす指し方を考えます。それが▲3八飛!

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通常形では次に▽6六銀成が7七の角に当たる為、この手は無いのですが、これこそ▲8八角型を活かした一手です。これに対する候補手はA:▽6六銀成、B:▽4六銀成、C:▽5二飛。順番に見ていきます。

A:▽6六銀成

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以下▲6七歩▽5六成銀▲3三角成▽同桂▲4四歩▽同歩▲6五角でどうか。

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以下は▽4六成銀くらいですかね、、難解ですが互角以上の戦いと思います。

それでは次に、B:▽4六銀成

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これにはスルっと▲4八飛!

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以下▽5七成銀には▲4六飛でぼちぼち。よって▽5六成銀ですが、そこで▲4四歩。

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▽同角には▲4五銀があるので▽4四同歩でしょうが、▲6五歩や▲4三銀があってこれははっきり振り飛車優勢と思います。

それではさいごに、C:▽5二飛

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次の▽5六飛が怖いですが、ここでもやっぱり▲4四歩。

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この戦型全般の急所はズバリこの▲4四歩だと思うんですよね。▽同歩なら確実に得ですし、手抜きできないのでまあ▽同角しかないですけどね。そして▲4五銀とかぶせて下図。

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▲4四歩というか、この▲4四歩から▲4五銀こそが急所だと思ってます。角が逃げれば▲3四銀や▲4四歩打があるので攻め手に困りません。

上図も、以下▽3三角なら▲4四歩から▲3四銀か、単に▲3四銀。それ以外に逃げれば▲6五歩で振り飛車優勢です。

 

以上、②▽5六歩型は意外にやっかいでしたが、持久戦に持ち込むなら▲6七飛から▲4七銀強く反発するなら▲3八飛をお薦めします!

よーし、長かったけど次回はラスト③▽5二飛の研究です。それではまた明日〜!