四間飛車穴熊対スピード角交換の第３回は、▲４五歩の前に▲３五歩を入れたらどうなのかを考えていきます。はい、仕掛けの図です。

ありそうで無かった仕掛けですね。それでは▽３五同歩の前に、まずはここで▽４三銀とするとどうなるのかを見てみます。

 

以下▲４五歩となり、実は最初の局面から▲４五歩▽４三銀▲３五歩という展開と同じになります。

このように３筋と４筋がぶつかったら３筋の方を先に取るのが基本です。

が、以下▲４四歩▽３四銀▲４三歩成▽同飛▲３三角成▽同桂▲２四飛で下図。

この展開ははっきり居飛車優勢ですね。というわけで、スタートの図に戻って▲３五歩には▽３五同歩しかなく、▲４五歩と進み今回の仕掛けの図となります。

居飛車としては仕掛けの前に３筋の突き捨てが入ると、後の攻めが多くなるので良さそうに見えますね。この局面もやはり▽４三銀の選択肢は無いので▽４五同歩の一手。そこでついでに２筋も突き捨ててから▲３三角成といってみます。

ここで▽同桂は、▲２四飛と走って歩を補充すれば▲３四歩が生じるので、前回解説した順と比べてかなり居飛車が得です。つまりここは振り飛車としても▽同銀しかないですね。

これに対して▲６五角があり、ここからの攻防がこの仕掛けの焦点になります。

単に▽３二金もありそうなのですが、、ここは３筋の突き捨てを逆用する▽６四角が指してみたい一手。

これに▲３七銀や▲３七桂は▽３六歩があるので、①２六飛か②１八飛の二択。

まずは①２六飛から。

以下▽３一金▲８三角成▽７二金▲６五馬▽１九角成で下図。

ここで既に振り飛車優勢に見えますが、▲３四歩があるのでもう少し見ていきます。

ここで形は▽４四銀ですが、駒得しているので▽２二銀で完封を狙うのが良さそうです。

以下▲２四飛に▽２三歩とすると▲２六飛で振り飛車優勢とは思いますがまったりしそうなので▽２三香！で決めにいきます。

以下▲３三歩成▽同桂▲８四飛▽２九香成で結果図。

▲３四歩は残るものの▽２五桂と逃げて何事もないですね。さすがに桂香得で落ち着いては振り飛車優勢ですね。

つぎは途中の▽６四角に対して、②▲１八飛とかわすパターンを見ていきます。

以下▽３一金▲８三角成▽７二金▲６五馬に、▽２五歩▲５五歩▽２二飛でどうでしょうか。

２筋突破が受からず、これは綺麗に振り飛車優勢ですね。この▽２二飛の転回が絶品なので、ここは▽３二金よりも▽３一金が良いと思います。

以上、▲３五歩▽同歩▲４五歩という変則スピード角交換の研究でした。角交換に対して▽同銀だと振り飛車優勢に、▽同桂なら居飛車優勢になると思います。

残念ながら思ったよりもいまいちな結果でした。▲６五角の隙があっても、反撃手段があれば効果薄いですね。やはり四間飛車穴熊に急戦は相当に無理あるんですかね。あ、でも四間飛車穴熊のブログだからめでたしめでたし、、でもやっぱりオリジナル急戦を研究するのは楽しいですね。

やはり可能性があるとすれば棒銀なのかなあ、、ということでまた！