VS5筋位取り 定跡研究1(右銀編)

今日からは四間飛車穴熊対5筋位取りについて研究していきたいと思います。

最近ではノーマル四間飛車対5筋位取りすら見かけないですが、さらに四間飛車穴熊対5筋位取りなんて見たことも無いぜ!という人も多いかと思います。が、しかし、将棋倶楽部24には居るんですよね。5筋位取り党という狭いジャンルの人が、、

ぼくの体感では100局四間飛車穴熊を指すと、数局程度が5筋位取りです。そして自分の5筋位取りの知識と言えば「5筋位取りを見たら▽1二香から▽4一飛」しかありません。もうパブロフの犬状態で何も考えずに5筋位取りと見るやいなや▽1二香から▽4一飛としてしまいますよ。

まあ間違ってはいないようですが、それ以外の具体的な指し方は全くわからないまま、いつも適当に指しています。それでもあまり負けないのですが、中盤での圧迫感が大きく息苦しい展開が長いイメージです。

そこで今回、四間飛車対5筋位取りの定跡を勉強し直すと共に、四間飛車穴熊としての5筋位取り対策を考えてみたいと思います。ちなみに定跡は藤井九段著の「四間飛車の急所1」をベースにしています。

というわけでまずはノーマル四間飛車対5筋位取り(右銀編)です。

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最初に言っておきますと、この右銀を使う5筋位取りでは▽1二香〜▽4一飛とは指しません。しかしよくよく思い出すと、右銀5筋位取りは指されたことがないような気もしますね。

 

以下▽4三銀▲5六銀に▽6四歩。

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この▽6四歩を突く広瀬七段の棋譜を見たことがあったので、ぼくも突いてはいましたが、この▲5六銀に▽6四歩が急所の一手。

この▲5六銀のタイミングで▽6四歩と突かないと、▽6三金が間に合わなくなるので要注意です。つまり▽8二玉だと▲6六歩▽6四歩に▲6五歩▽同歩▲同銀とされて失敗ですね。

というわけでここは▽8二玉ではなく▽6四歩として、以下▲6六歩▽6三金▲6五歩に、▽同歩ではなく▽6二飛!

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対玉頭位取りでも見る反撃ですが、これが有力みたいです。そして、これが有力なら囲いが穴熊であればこの変化は美濃より有力なはず。ウフ。

上図以下は▲7七銀▽6五歩▲同銀右▽4五歩▲6六銀▽5四歩と進みます。

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これは気持ちの良いぶつけですね。以下▲6七金は▽5五歩▲同銀▽5四銀▲同銀左▽同金▲同銀▽8八角成▲同玉▽6七飛成で振り飛車勝勢。

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よって▲6七金ではなく▲6八金直ですが、そこで▽5三金!

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この手が発見されて右銀の5筋位取りは消えたそうです。以下は▲5四歩▽同銀▲同銀▽同金に▲6七歩(下図)が居飛車最善の頑張り。

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うーん、たしかに居飛車を持って指したい形ではないですね。ちなみに▽5三金と寄る局面で▽6四歩(下図)という手もあります。

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以下▲5六銀▽5五歩▲同銀左▽5四歩▲6六銀▽4四銀。

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これはこれで安心感がある展開で、振り飛車指しやすそうですね。

以上がノーマル四間飛車対5筋位取り(右銀編)のお勉強でした。次回はこれを四間飛車穴熊に当てはめるとどうなるかを検討していきます。お楽しみに〜