VS超速▲5五歩 その2

<前回のあらすじ>
居飛車からの仕掛け「超速▲5五歩」(下図)に対して対策を研究しよう!ということで3つの対抗策をピックアップ。果たして最有力の対抗策とは、、!?

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おもち食べ過ぎでやっぱり正月太り、H-Iですこんばんわ!いやあ怖すぎて体重計に乗れないですね。というわけで今回は、上図から▽6五銀▲2六飛に対して、第一の対抗策である▽5二飛を研究していきます。

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基本的な狙い筋は、前回も書いた通り▽5四歩▲同歩▽同飛から▽5六歩〜▽7六銀。まずは定跡書で研究した手順を紹介します。

 

上図より▲6八角!

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この手の意味は、次に▲7七桂から銀を追い返そうというもの。しかし角道が直通するので、違和感を感じますね。以下▽4五歩▲7七桂▽5五角▲8九玉▽5四銀▲2四歩△同歩▲同飛▽2二歩と進み結果図です。

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難解ですね。というわけで西川さんの棋書では、2番目の対抗策「▽5四歩▲同歩▽5二飛」を推奨しています。これはまた後ほど研究するとして、ぼくの実戦では▽5二飛に対して▲7八金と指されました。

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居飛車としては玉頭銀に対して最も指しておきたい1手ではないでしょうか。この局面でぼくは▽5四歩▲同歩▽同飛と指し、▲6八銀引!

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この▲6八銀引は読みに無かった1手で、好手でした。ここで狙いの▽5六歩を指すも、1手遅れている感じ。以下▲5五歩△5二飛?で劣勢に。

▽5二飛ではまだしも▽7四飛でしたね。長期戦になると思い、▲2四歩の仕掛けに備えたつもりでしたが、▽5二飛以下▲7五歩△4五歩▲9九玉▽9一玉▲8八角▽8二銀▲2四歩△同歩▲6六歩!で下図。

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まさかの5六の歩を逆に狙われる仕掛け。▲7五歩〜▲8八角が秀逸ですね。以下▽7六銀では▲5六飛で先手の言い分を通して完全な作戦負けです。最初に戻りますが、先手が▲7八金とした局面です。

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ここはやはり▽4五歩でしたね。▽5四歩の前に角道を開けておくべきでした。とりあえずこの戦型は、角道がとにかく大事ですね。相手玉に直射するので。

と、個人的に結論が出たところで、次に研究するはずだった▽5四歩▲同歩を入れてから▽5二飛とする形で、なんと上図の▲7八金が西川さんの棋書に載っていました。
▲7八金以下▽5四飛に▲6六銀!

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以下、▽7六銀で振り飛車好調、であっさり打ち切られていました。ぼくの実戦で出現した▲6八銀は、やはりなかなかの好手と思います。この▽5四飛+▽6五銀の形は、角交換すると▲4三角があって、先に角交換される展開は許されないんですよね。

なので居飛車としてはいかに角筋を通したまま駒組みをするかが重要です。つまり▲6八銀は角筋を通したまま▽5六歩のあたりを緩和しつつ玉を固める、という1手で3つ美味しい手だったわけです。振り飛車が▽9二香の代わりに▽7二銀ならまだ戦えるかもでしょうか。

 

考えれば考えるほど居飛車の方が有力に見えてきましたが、次は②▽5四歩▲同歩▽同飛の研究です。前述の展開になれば同じですが、ここでは居飛車から有力な手順があります。

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それが上図以下▲2四歩▽同歩▲2二歩の仕掛けです。

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これがまあ先に5四歩を突き捨てたリスクですね。1歩を渡したことによりこの仕掛けが生じました。以下▽5四飛▲6六銀▽7六銀▲2一歩成▽5六歩▲5八金右▽7七銀成▲同桂▽3五角▲2八飛▽5七歩成▲同銀▽同角成▲同金▽同飛成。

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これにて振り飛車良しとしているのが西川さんの棋書ですね。まあたしかにここまで進めば振り飛車良さそうですね。でもやっぱり途中の▲6六銀では▲6八銀の方が良さそうですし、途中の変化もありそうで不安ですね。

結論としては、①5二飛も②▽5四歩▲同歩▽5二飛も、下図の▲6八銀で振り飛車自信無し!です。現代的な1手ですね。あ、①なら前述した通り先に▽4五歩で戦えると思いますけどね。

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というわけで、このまま行くと四間飛車穴熊を追求していくブログなのに、四間飛車穴熊を撲滅するブログになってしまう(汗)ので、次回は最後の望み、第3の刺客▽4五歩を研究します。

これで悪かったらどうしよう、、というところでまた明日〜!


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