VS銀冠定跡研究の第3回は、基本図より▽4四歩▲6五歩▽4五歩と進んだ下図がテーマ図です。
ぼくの経験上、この形の出現率は高いです。体感では対銀冠の3〜4割がこの形ですね。次回研究する形が一番多いとは思いますが、この形も重要です。
テーマ図以下は▲6六銀▽4六歩▲同金で下図。
ここで▽4三金右だと、▲5六歩▽7四歩▲5五歩▽同歩▲6四歩△同銀▲5五銀▽同銀▲同金で角金の圧力が大きく先手優勢です。なのでここは▽7四歩の一手。
この局面で①▲5六歩〜▲5五歩と指したいのですが、ここで▲5六歩とすると以下▽8六歩▲同歩▽7五歩であっさり振り飛車劣勢に。4七の金と6八の飛車の位置関係が悪く、5七に空間ができると▽5七角が生じてしまい失敗です。
またここで②▲3五歩と3筋を攻めるのは、以下6六の銀と角が釘付けになってしまってダメ。
よってここは一度形を立て直す③▲4七金〜▲3七金が正着です。上図より▲4七金▽4三金▲3七金で下図になります。
この落ち着いた指し回しがポイントですね。以下▽2五歩くらいですが、ここで待望の▲5六歩!
次に▲5五歩▽同歩▲同銀▽5四歩▲4四歩の仕掛けがあるので、定跡は▽4四銀で、以下▲9六歩(次に▲6九飛とした時に▽8六歩▲同歩▽8八歩の受け)▽2四角▲6九飛▽3三桂▲5五歩▽同歩▲同銀で下図。
これにて振り飛車不満無し、というのが定跡で、今日の研究はここで終わる予定だったんですが、まず▽4四銀以外にどうしても気になる変化が2つあるのです。
①▽6二飛
▲5五歩を受けるだけならありそうな一手。果たして▲5五歩▽同歩▲同銀▽5四歩▲4四歩▽4二金の下図で手があるかどうか。
ここで冷静に▲4六銀もありそうですが、攻めを継続するなら▲9五角ですかね。▲9五角▽6一飛▲6四歩▽同歩▲6二歩でどうか。
難しそうだけど、玉形の差もあるしいけると思います。次はもうひとつ気になる居飛車からの仕掛けです。
②▽8六歩▲同歩▽7五歩
1歩あれば常に生じる仕掛けです。▲4七金型だったら角交換から▽5七角で即アウトですが、この振り飛車の形であればなんとかなりそうとは思うのですが、どうでしょう。
とりあえず▲7五同銀▽7七角成▲同桂の下図までは進むとして、、
後手からの候補手は、第1感は▽3三角、同じ狙いで▽5九角もありそうだけど玉のこびんが空いているので▽3三角の方が良いのかな。
受けは▲6七飛か▲7八飛の二択ですが、まあ▲6七飛として▽7四歩▲同銀▽8六飛なんて手もあり、難しい局面な気がします。
やはり▲7五銀が逆方向の上に▽3三角と打たれると容易に▲6四歩からさばけないですね。実戦で指してみないと感覚がいまいちわかりませんが、居飛車からの▽8六歩▲同歩▽7五歩の仕掛けは常に要注意ですね。
以上、少しもやもやした所が出てしまいましたが、▽4五歩反発型の研究でした。続きはいつの日か実戦で出会うまで、、次回は居飛車が角道を閉じてこない場合の指し方です。それでは!
ピンバック: VS銀冠 定跡研究EX | 四間飛車穴熊 MATRIX
ピンバック: 四間飛車穴熊の急所(第2章 銀冠編) | 将棋棋書ブログ2