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端歩位取り四間飛車穴熊 開発編3

前2回で、端歩の位を取るタイミングと、位を取って持久戦になった場合の優秀性を確認できました。よって今回は、この端歩位取り四間飛車穴熊をボナンザ先生にぶつけてみたいと思います。

まずは序盤。端歩の位はなるべくギリギリまで保留したいと前回検討しましたが、まず早めに位を取った場合に、ボナンザ先生は端の2手を咎める行動に出てくるのかどうかを確認しにいきます。

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とりあえずこの局面で端の位を取ってみました。ノーマル四間飛車を見せてからの端歩位取りです。ここからのボナンザ先生の対応が気になるところで、2手を咎める急戦なのか、地下鉄飛車なのか、穴熊なのか、、

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端歩位取り四間飛車穴熊 開発編2

さて前回は端歩位取り四間飛車穴熊で、下図のような持久戦になれば通常形より評価点で約100点優秀、ということが分かりました。

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というわけで今回は、端歩を突くタイミングを考えてみたいと思います。

まずは最も早いタイミングとして、▲7六歩▽8四歩に対して▲1六歩と突く形が考えられます。

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まず振り飛車党心理として、玉側の端歩突きが最もマイナスになる戦型「相振り飛車」では早めに▲1六歩は突きたくないというのがあります。

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端歩位取り四間飛車穴熊 開発編1

以前、杉本七段著の「杉本龍端歩位取り穴熊」という棋書がありました。それは玉側の端の位を取ってから四間飛車穴熊にするという内容で、発売は2004年4月。

その当時はあまり気になる本ではなかったのですが、数ヶ月前に本棚を整理していたら発掘されました。タイトル的には四間飛車という文字は入っていないのですが、内容は四間飛車穴熊の棋書でした。

これはなかなか面白いかもしれないと思ったものの、解説されているのは▲4六歩を突かない形がメイン。つまり広瀬穴熊というよりは、オールドタイプ穴熊に端歩位取りを組み合わせたものでした。

その当時でも既に現在の定跡は整備されていたので、採用していないのには端歩の為に手が遅れる等の理由が考えられます。しかし、さらによく見るとこの棋書では、振り飛車側が後手番でのみ解説されているので、先手番と比べると3手遅れているので、やはり手数が理由なのかな。

というわけで先手番なら端の2手を咎められることも少なくなると思われるので、今回は新しく「先手番での端歩位取り四間飛車穴熊」という戦法を考えてみたいと思います。

現在のプロ棋界では、四間飛車穴熊はすでに消えつつある戦法です。そこで四間飛車穴熊党として、新たな四間飛車穴熊を模索していこうという試み第1弾!

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上図は、もし仮にオーソドックスに相穴熊の▽4四歩型対▲5八金型に進んだ場合の局面。

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四間飛車穴熊対銀冠 全戦型のピンポイント解説

今回は、四間飛車穴熊対銀冠のピンポイント解説です。広瀬八段著の「四間飛車穴熊の急所」の銀冠編を要約しました。

 

・第1型 単純穴熊

まず最初に、昔の四間飛車穴熊の形である「単純穴熊」対銀冠(下図)を見ていきます。

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VS棒銀 研究編3

2筋の突き捨てから▲1五銀▽4五歩に▲6六銀とした局面が、本日のテーマ図です。

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この▲6六銀の狙いも、前回の▲5五歩と同じく角交換を防いで▲2四銀と活用すること。

しかしここでじっと▽3三角!が落ち着いた好手。

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一見、▲3四歩と突かれて損にしか見えないですが、それには▽同銀!があり、以下▲同飛にここで▽6六角!

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VS棒銀 研究編2

四間飛車穴熊対棒銀の変化より、下図は▲2四歩▽同歩を入れてから▲1五銀と指した局面。

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ここでも前回と同様に▽3三金もありますが、今回は▽4五歩!とさばきにいく順を研究していきます。

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どちらかと言えばこの方が振り飛車らしいと思いますが、研究結果から先に言えば、この▽4五歩だと「振り飛車の細い攻めVS居飛車の受け」というけっこうギリギリの戦いになりそうです。

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VS棒銀 研究編1

ある人から下記内容の質問を頂きました。

こんにちはH-Iさん。いつも楽しく見させてもらってます。とあるサイトで見たのですが、四間飛車穴熊対棒銀の下図での応手を教えていただけないでしょうか。

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このあとは▽3三金▲2四歩▽同歩▲2八飛▽4五歩▲同歩▽3五歩▲4四歩▽同金▲2四銀(下図)以下居飛車勝ち。

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ほほー。これで決まるのであれば、対四間飛車穴熊の決定版は棒銀となり得る手順ですね。うーむ、、

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