先日発売したばかりのPonaXをゲットしました。PonaXとは、第3回電王戦の5回戦で屋敷九段に勝ったponanzaと同等の将棋プラグラムの市販ソフト。最高棋力はなんと八段!と言ってもよく分からないので、早速その最高棋力と指して見ることに。
とりあえず操作感は非常にスムーズ。最大棋力を発揮させるためには時間無制限にしてあげる必要がありますが、そんなに指し手に時間を使ってこないですね。まあ、時間を使う必要が無かったというだけかもしれないですけど、、
さて、将棋の方は相穴熊へ。PonaXの居飛車穴熊▽4四歩型対ぼくの先手四間飛車穴熊の▲5八金型となりました。そして迎えた下図の局面。
PonaXの指し手は、なんと▽3一金!これは広瀬八段の棋書で緩手とされている一手で、ここは▲4五歩の仕掛けに備えて▽3二金寄(下図)とし、▲4五歩に▽4二飛の形を用意するのが定跡。
居飛車としても、駒組みでの注意点として▽3二金寄を先に指すのは重要ポイントだと思っていたのですが、、さすがPonaXですね。ここは当然▲4五歩!と切り込むところ。だって定跡書に、これにて先手良しと書かれていたわけですからね。
果たしてPonaXの用意の一手とは何なのか、、
この局面は▽5五歩の切り返しもあるところですが、PonaXは平凡に▽3二金寄を選択。以下▲4四歩▽同銀▲4五銀▽同銀▲同飛▽4三歩と進んで下図。
いたって平凡です。この局面は振り飛車だけ歩を手持ちにしてはっきり優勢(仮)。さらにここから▲6五飛!
この飛車成が受けにくいので、この局面で振り飛車良しとされていたわけです。この飛車成を受けるには、▽6二飛では▲8五飛があるので銀を打つしかないわけで、実戦も▽6四銀。以下▲4五飛と戻って下図。
まさに定跡書の結果図まで進んだわけですが、一見たしかに先手優勢。なんと言っても先手だけ銀と歩を手持ち。さらに後手の銀は6四に打たされているわけですからね。
しかしこの局面の先手有利の根底には、この局面から即座に後手が銀を活用しつつ仕掛ける方法が無いとした場合のみ。そう、つまりこの局面から存在したのです。銀を活用しながら即座に仕掛ける方法が!
PonaXの用意の一手は、ここからの▽8六歩!▲同歩に▽5五銀!!
なんだこの仕掛けは!?という手順。まさかのたった3手で仕掛けが成立しているではありませんか。
まあでも、ここでは次に▽6六銀の一点突破狙いに見えるので、▲6七金で次にどうするの?と思うかもしれませんが、▲6七金に▽4二角!!
この局面を見たぼくは愕然としました。なんとここではもう受けが無いのです、、まあ受けるだけなら▲8七銀がありますけど、それは死んでも指せない一手。
また▲4八飛と引いて、▽8六角に▲8八飛を用意しても、6七の金が浮いているのでだめ。(下図)
つまり受けがないんです。あの局面から即座の仕掛けがあったとは衝撃的です。ちなみに実戦のぼくの指し手は▲7五歩。▽同角には▲5六歩で角の素抜きを狙ったり、▲7六金から粘ろうという一手でしたが、冷静に▽7四歩とされノックアウト。
以下はじわじわと差を広げられて完敗でした。なんか羽生さんの指し手をみて、なるほどと思う感じとよく似た感じを受けました。自分の遙か上を行かれた感じと言うんでしょうかね。
このまま四間飛車穴熊で挑戦し続けていたら、そのうち四間飛車穴熊破りという棋書を書けちゃいそうな気がしますね。
でもまあ、巻き戻って▽8六歩▲同歩▽5五銀の局面。
ここで▲6七金以外に手が無かったのか?ということですが、実はありました。
次回はここでの対応を検討していきます。