VS居飛車穴熊▽4四歩型 その26「▲4五歩早仕掛け編6」

四間飛車穴熊から果敢に仕掛ける▲4五歩早仕掛け編。第1回〜5回まで、居飛車の普通の対応と思われる▽4五同歩、▽5五歩、▽4三金の全てにおいて振り飛車が優勢になるという、まさかの結論で進んできました。

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普通ならこの▲4五歩に対して、まず上記3つのどれかを指してくるはずなので、新規開拓研究としては成功かなと思います。

そして今回、第6回は最後の選択肢「▲4五歩に対してまさかの手抜きで▽3一金」の場合を検討します。

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この局面でこれを指されたら、それだけでムムっと思いますよね。しかしこの手が実は PonaX及びボナンザ先生推奨の一手、つまりこの局面での最善の可能性が高い手、というわけです。

 

どう見てもここは▲4四歩と指したくなりますよね。ここでのPonaXの指し手は違ったんですが、まずは▲4四歩がどうなるのかを検討してみます。

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この▲4四歩には、当然▽同銀の一手。

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はい、この局面です。ここで第3〜4回で考えていた局面と比べてみます。

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こちらが第4回の図。違いは金の位置で、感覚的には▽4三金は上部に利いていると感じるんですが、結局▲4五銀▽同銀▲同飛と指されるのであれば、金は5二の方が当たりにならなくて良い可能性があります。

というか冷静に見ればこの局面、▽4三金の一手は必要ではないような気がしますね。どうせ銀交換で終わるのであれば上部を守る必要もなく、それであれば▽4三金よりも▽3一金の方が価値が高いという理屈ですね。

たしかに上図から▲4五銀とぶつけるのは第3回で検討しましたが、居飛車は▽3二金と上がって3二金+4三金型になっていました。それはそれで悪くはないですが、本譜は▽3一金の一手で囲いは一応完成しており、▲4五銀▽同銀▲同飛に▽4四歩!と打ってしまって、▲4八飛には▽6七銀で下図。

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以前もこの▽6七銀はありましたが、本譜もこれが意外とやっかいで、以下▲6五歩でさばけそうに見えますが、以下▽5三金▲6四歩▽同歩▲4五歩▽7六銀不成▲4四角▽同金▲同歩▽4二歩と進んでみると、なんと振り飛車マイナス500点くらいの局面に、、

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居飛車は7六の銀も遊んでいるし、8二の飛車もまだ働いていないというのに、なかなかどうして、振り飛車から攻めが続かないんですよね。

例えば▲4五銀ですが▽6七角が痛く、以下▲5四銀▽8九角成▲4三歩成と攻め込んでみても、▽同歩▲同銀成▽9九角成となっては攻めが空を切っている感じです。▲4三歩成が狙いなのに、歩を成ってしまうと角に逃げられるので攻めにならないんですよね。

色々考えてみましたが、第3回では▲4五銀とぶつけても指せるようなことを書いてしまいましたが、そもそも▲4五銀は攻めになってないですね。まあ4三金、3二金型の方が逆に上部に当たりが強いとも考えられ、それであればまだ▲4五銀の攻めは繋がりやすいとは言えるかもしれません。

少なくとも本譜では▲4五銀は攻めにならないことが分かりました。というわけで最初に戻ります。

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居飛車が▽3一金と指した局面。PonaX先生の選択はここで▲3九金!とまたしても様子見でした。

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うーん、、これはもう▲4五歩の仕掛けは意味無いですよ、とPonaXに言われているような気がしますね。つまりこの▲4五歩に対しては、▽4五同歩、▽5五歩、▽4三金であれば振り飛車優勢と思われますが、無視されてみると自分から動けるわけではなかったんですね。

というわけで▲4五歩早仕掛けの現状の結論としては、、「▲4五歩早仕掛けは、無視されると仕掛けになっていない」です。

まあ▲4五歩に▽3一金と指せる人は、知らない限り居ないとは思いますけどね。

 

ということで終わりかと思いきや、しかしながらまだ続きます。次回は最終回、PonaX対PonaXの上図▲4五歩▽3一金▲3九金以下の攻防を見ていきたいと思います。

実は▲4四歩▽同銀から、▲4五銀以外の仕掛けをPonaXは敢行していたのです。結論から言えば優勢には持って行けてないと思うけど、勝負にはなっている順と考えられます。また、似た局面でもPonaXはしばしばその指し方をしていたので乞うご期待。

それではまた〜