第39期棋王戦第1局

今回もまた少し日が経ってしまいましたが、記憶を蘇らすのに丁度良いとして、渡辺棋王に三浦八段が挑戦する棋王戦第1局の観戦記です。

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戦型は横歩取り▽8四飛。両端の位を取るのが最近の流行りでしょうか。よく見かける気がしますね。図は仕掛け直前で、手が無さそうなここから渡辺二冠が軽快に仕掛けます。

 

▲6六角▽1四飛に▲2二歩!

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いやあ軽快です。以下▽2二同金に▲2五桂で、▽同桂とできないというわけで桂交換が確定するわけですね。▲2五桂に▽2四飛が多少気になりますが、さすがに無理なのかな。

さらに進んで下図。ここからの手順が印象的でした。

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金取りなので受ける一手ですが、まずは▲3七金。

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飛車先を受ける必要があるので当然と言えば当然ですが、さらに▽2八馬に対して▲2六金。

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これも指されてみれば当然の一手ですが、さらに▽5五銀に対して▲2五香▽同銀に▲3五金!

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3八の金がするすると3五まで来てしまいましたね。しかも相手の手に乗って指しているので、効率よくここまで進出したという感じです。素晴らしい手順でした。

ここでははっきり渡辺二冠優勢だったと思いますが、以下微妙な失着が出てもつれて迎えた最終盤。リアルタイムで観戦していましたが、手に汗握りましたね。この▽4五歩は次の▽4四金の一手詰みを見た詰めろです。

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玉が向かい合ってもうどなっているのかよくわからない局面ですが、ここから▲5二銀▽3二玉に▲3四香が冷静な順。

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以下は渡辺二冠がしっかり勝ってまず先勝。三浦八段はタイトル戦でなかなか勝てないですねえ。頑張って欲しいです。それではまた!