NHK杯観戦記4-2「ハッシーの華麗な受け手順」

前回の問題図がコチラ↓

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この局面でハッシーが指した次の一手は何だったでしょうか!?

①▲8八角打 ②▲3九角打 ③▲6八銀 ④▲4八銀

 

という問題でした。

まずこの局面を観てぼくが考えた手が①▲8八角打。角のラインをキープしつつ、▽6六金と角を取られても▲同角で3九への利きを残せば▽3九角と打たれないので安心かな?というのがぼくの読みです。

はい、ぼくの読みはどうでもいいですね。正解は、、③▲6八銀!でした。

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正直この一手も観ただけでは、え?って思うだけだと思いますが、ここからの手順が素晴らしいです。以下▽8九龍では響きが薄いので▽4九龍ですが、そこで▲5九金。

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まあ金取りを受けるにはこの一手で、当然の一手ではあるのですがなんとも凄い一手です。そしてなんとなく意味が見えてきたのではないでしょうか。

以下は▽4七龍とするしかないですが、そこで▲3六銀!

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常人なら▲3八銀としてしまうところですが、上から打つことによって龍が狭いことが分かります。つまり龍の逃げ場はなんと4六のみ。

というわけで▽4六龍に、次の一手まで読んでの最初の6八銀だったのか!というのが▲4七歩!

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この一手は震えますね。

飛車の逃げ場がないので必然的に▽同金しかないですが、、

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あーらびっくり、なんと絶対解除できないと思っていた角取りが、この一連の手順によってキレイに解除されているではありませんか!恐るべし!

もう一度問題図を再掲します。

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この局面から角取りを解除しようと思ったとして、この手順はとても見えないですね。指されてみれば一本道の手順ではありますが、これは素晴らしいの一言に尽きます。

ハッシーはパフォーマンスは派手でも将棋は地味なイメージでしたが、これからは将棋の内容も応援していきたいと思います。頑張れハッシー!!