VSスピード斜め棒銀 その1

さて、今回からは広瀬七段の棋書で「居飛車の秘策」として紹介されている「スピード斜め棒銀」にいってみたいと思います。まず基本図がこちら。

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はい、どの辺がスピードなのかというと、▲5八金右を省略して▲3五歩と仕掛けているのです。この仕掛けのメリットは四間飛車穴熊側の▽8二銀が入っていないので、角交換の後▲6五角が両取りで打てるということです。

まず初回の第1回は、実戦でぼくが指した手順を見てもらいます。これがまたビックリするほど最初から定跡と全く違う手順で指しているんですよね。きっと相手もビックリしたことと思います。

 

まずは基本図から▽3五同歩▲4六銀に▽4五歩!と指した局面。

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本当の振り飛車党なら、考えなくても▽3六歩でしょうけどね。ぼく居飛車党なんでね(言い訳)

基本的に四間飛車穴熊は急戦に対して「▽3二銀型のまま駒がぶつかったら▽4五歩」と、これだけ守っていれば棒銀以外には通用してしまうんです。ぼくが四間飛車穴熊を採用している理由も、実はここが大きいのです。

なんといっても、居飛車急戦って多岐にわたりますからね。それぞれにそれなりの知識はあるつもりですが、やれ鷺宮だ早仕掛けだ右4六銀だ左だ棒銀だとかもうわかるわけないっつーの!ということで、わかりやすい四間飛車穴熊が好きなんです。

そしてはっきり言って、急戦に対して前述の一文だけ守っていれば、そんなに悪くなることもないというか、あまり負けないんですよね。やっぱり玉形の差は勝敗に直結するからでしょうか。

本譜もめちゃくちゃな指し方ではありますが、そんなに悪くならなかったのでノープロブレム!というわけで続きます。上図からさらに▲3三角成に▽同桂!

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まあこれもあるにはある取り方なんですけどね。▲2二角と打たれる隙が気になりますが、本譜で言えば銀取りになっているので、その暇は無さそうですかね。まあ実際に打たれたとしても、攻め続けられれば悪くならないので、実はこの同桂は意外におすすめです。

ただし、定跡は▽同銀から▲6五桂と進むので、もう路線がだいぶ違ってきました。さてここから▲3五銀に対して、次に▲3四歩があるしいったいどうするのかと見ていると(自分の棋譜なのに指し手を忘れております)、、敵の打ちたいところへと▽3四歩!

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なるほど、なるほどね。ひねり出した感のある一手ですね。1手30秒の早指し将棋のわりには頑張ってますねぼく。そして、▲2四歩△同歩▲同銀に▽4六歩で反撃開始です!

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形勢はなんとも言えないですが、この▽4六歩が入れば定跡を外れていてもまあまあではないでしょうか。先手も特に変な手は指していないので、振り飛車が望めばこの局面になりそうですが、どうでしょうかね。

以下は▲4六同歩▽同飛▲4七歩▽5六飛▲6五角に▽2七歩!

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これが狙いの一手で、▲2七同飛に▽6六飛!(▲同歩は▽4五角の王手飛車)もしくは単に▽4五角を考えていたのですが、実戦は▲3八飛だったため、▽2六飛とまわってやや優勢になった気がしました。

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というわけで以下勝ったんですが、定跡を確認したらあまりに指し手が違ったので、要研究!となったわけであります。次回は定跡研究編です。お楽しみに〜!